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  • otonazukandandan

第2回 大人 荒木義明(数学者)

更新日:2021年3月30日

数学って聞いたことがあるけれど、数学者のお仕事って

一体どんなことをするのでしょう?



今回の大人はその数学者の荒木さん。

荒木さんより、数学者のお仕事を彼のテセレーション(敷きつめ模様)と言う分野から教えてくださいました。

そもそも想像するのが難しい数学者のお仕事ですが、彼の専門分野である図形は7万7000年も前にはすでに人類の手によって描かれていたそうです。テセレーションという平面や三次元を図形で敷きつめる荒木さんの研究は、そんなに前から私たちの先祖は始めていたのです。数学も7万7000年も遠いですが、なんとなく近くに感じたように思います。歴史を辿りながら、数学、あるいは荒木さんの研究分野が私たちの身近にあることを教えてくださいました。レンガを使った壁も、数学なんです!!!そして、それは何も専門の研究者だけがすることではないと荒木さんは教えてくれます。誰でも始められるのです。と言うのも、テセレーションの分野で専門の研究者が見つけられなかった平面を敷きつめられる五角形を、なんと40年前にアメリカの主婦が発見してしまうのです。普段は図形のことを考えもしていないのに、なんだか自分でもできる気がしてきます。

“ この世界にはまだ解かれていない問題や、発見すらされていない問題がたくさんある!”

さて、話はテセレーションから荒木さんご自身へ。

数学者として活動するきっかけは会社での出張の移動中だったそうです。はじめから数学じゃなかったんですね!飛行機の中で読んでいた本を通して、三次元空間におけるテセレーションを発見したそうです。平面だけでなく、三次元空間を模様で埋め尽くす荒木さんの研究をご紹介くださいました。まるでミクロの世界を見ているようで不思議です。今では、化学者との共同研究や、デザイナーさんとのコラボレーションなど、数学の分野だけでなく様々なフィールドでの活動があるそうです。どうも荒木さんは化学は苦手らしく、でも好きな数学を通じて苦手な化学ともお仕事でできてしまうのだそうです。

そして、その数学者としてのお仕事は荒木さんにとってライフワーク(誰かにお願いされているわけでもないのに、生きている限り楽しくてやっていくお仕事)と仰ります。実は、荒木さん、IT企業で、現在もお仕事をされています。これは、得意なことをニーズに応じて効果的にやっていくお仕事。このお仕事を生業と呼ぶことを教えてくださいました。なるほど。好きなお仕事も、得意なお仕事も両方できるのですね!確かに好きなことだけに偏らず、得意なところを続けていくことで、結果的にどちらの仕事の幅も広がりそうです。

最後に荒木さんは、仕事について考えるに当たって、コツを教えてくれました。

世の中には、まだまだ解決していないことがたくさんあるそうです。あるいは、問題にすらなっていないことだってたくさんあるそうです。それは、誰かが見つけるわけで、それは私たちの中の誰かかもしれない。そしてシンプルなものほど役にたつとも教えてくださいました。分からないことがあれば、インターネットで検索すれば色々情報が得られるし、何もかもを知っていたり誰かがやっていたりすると思うけれど、見方を変えることで、専門家でもたどり着けない答えを見つけることができるのかも知れません。その意味で、時代の価値やものの見方にのみ込まれていない子供達は、大きな可能性そのものですね。


第2回おとな図鑑実施日:2018/2/13実施

(写真:冨田了平)

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