第1回目の大人は鈴木さん。通称ゴリさん。ゴリさんは、幾つものお仕事をしています。発達障害の子どもたちのデイサービスの事業所、木こり、牧師と、通常ならばどれか一つの職業のところ、主なものでも3つもしています。その全てのお仕事において、夢や目標があります。そしてとても楽しそうです。なんでそんなにたくさんのお仕事をすることができるのでしょうか?
“ 社会が無意識に要求する姿を演じるのではなく、自分らしい在り方を創造するということ。”
ゴリさんはかつて大学の神学部を卒業した後、幼稚園の副園長先生として働き始めます。
その時の仕事に息苦しさを感じたゴリさんは、キーボード楽器を背負って演奏しながら子どもたちと遊び始めます。いわゆる副園長としてのイメージとは少し違います。
さらに、こんなお話を聞かせてくれました。
ゴリさんが牧師の仕事をしていない時期に、友人の牧師さんから体調を崩した自分の代わりに説教をしてほしいとの依頼があったそうです。ゴリさんは友人の頼みを聞いて教会に行くのですが、その時の姿が、坊主頭にランニングシャツに半ズボン。それまでスポーツや森林で仕事をしていたゴリさんにとって、その格好が最も自分らくし自然だったのだそうです。
ここに一つゴリさんのポイントがあるようです。社会が無意識に要求する姿を演じるのではなく、自分らしい在り方を創造するということ。そういう行為がゴリさんの様々なお仕事の話を通じて見えてきました。
そしてもう一つ、側で困っている人と一緒に歩いてみる。しかもそれは、純粋に好奇心からだとゴリさんは言います。もちろんそれだけではないのですが、根本にもっとその人を知りたい、そして一緒に答えを探すという、今のお仕事に共通したスタイルがあるように思いました。
また、働くことで私たちはお金を得ます。そしてお金を得ることで生活を送ることができます。要するに糧を得るために働くのですが、ゴリさんは自分が誰かのためにできることをしてみることから働くことを選びます。仕事の目的というものは、自分がお金を得るためだけではなく、誰かに贈り物をするようなことでも選択が可能だと感じます。
第1回おとな図鑑実施日:2017/8/18
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